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ニデックが狙う中国「官製消費」 青島に家電用モーター新工場

 (更新) [会員限定記事]

ニデックは9日、中国の山東省青島市で家電用モーターの新工場を稼働させた。冷蔵庫や洗濯機に使うモーターを生産する。中国政府は景気刺激策として家電や自動車の買い替え補助金を今年3000億元(約6兆円)投入する。ニデックは数年内に同規模の工場を増設する方針で、米国の関税政策の先行きが不

ニデック岸田社長「EVだけの世界は来ない」 HVなど共存

日経ビジネス電子版
中国勢の台頭や電気自動車(EV)への移行などで自動車業界は激烈な競争に入っている。ホンダ日産自動車の経営統合協議はその象徴だ。2024年4月、ニデック創業者の永守重信グローバルグループ代表の跡を継いで社長CEO(最高経営責任者)となった岸田光哉氏は、世界各地の充電インフラの状況などから「EVは伸びるが、地域ごとにハイブリッド車(HV)、エンジン車などと併存する」と指摘する。独自の市場観とその中での経営戦略を聞いた。

――24年、EVの世界販売の伸びは鈍化しましたが、EV市場は今後、どう推移していくと考えますか。

「EVやHV、プラグインハイブリッド車(PHV)、あるいは燃料電池車(FCV)などの車種ミックスは、今の想像を超えるかもしれないと思っています。近未来の人たちが、『昔の人たちの中で誰がこんな車種ミックスになると想像しただろうか』と思うような状況になるのでは、とさえ思っているのです」

「EVはこの先10年も伸びるのでしょう。ただ、EVだけという世界は来るのかなと思いますね。結局のところ、各国のインフラ事情を含めて、どんな車がその地域に適しているのか、なのだと感じるんですよ」

欧州勢は挽回を期したEVでも先を行かれた

――足元のEV販売の鈍化については「成長の過程の一時的な踊り場」と見る専門家も少なくありません。

「例えば、課題の一つが急速充電器のようなインフラです。急速充電網を張り巡らすには設備投資も大きい。一方、HVだと充電しなくても数百キロは走れるので、今の(充電器が多くない)状態のままでも問題がない。だからEVに市場が移り切らないのだと思います」

「一方でトヨタ自動車など日本のメーカーはHVで非常に強い。それを見て、ドイツの自動車メーカーなどは、違う戦略を取ることを考えてEV化を図ろうとしたのでしょう。しかし、今度はそこに中国勢がEVで欧州市場に来た。EV需要はもちろんなくなるわけはないから、そちらの道も先を行かれたということではないですか」

――欧州市場でHVが強いとはあまり聞きません。

「欧州で走っているHVは、日本車ぐらいで、欧州勢はほとんどマイルドHVです。マイルドHVというのは、エンジンを主体にして小型のモーターを使うものです。加速時などに補助的に使うことで燃費の改善や排ガスの削減を図るわけです」

「それで今は、もう一度、HVへと舵(かじ)を切っているようです。結局、EV一辺倒ではなくて(当面は)複数の車種の併存型になるということです」

HVもPHVも中国勢の質は高まっている

――中国はどうですか。国策でEV化を強力に進めています。

「おっしゃるように中国は(充電器などの)インフラを整備しているのですが、EV大手でも実は一番売れているのは、PHVだそうです。充電のできるHVですね」

「なぜかというと、これはインフラの整備された中国だけかもしれませんが、充電しやすい上に、EVより安いからです。HVもPHVも日本車は先行したし、技術も高いです。今でも変わらないと思いますが、中国車側も顧客の満足が得られるぐらいには質が上がっているのです」

――米国市場はどうでしょう。

「米国は、EVではやはり米テスラ一強の状況で、最近はHVが売れ始めたとも聞きますが、ここはガソリン車とEVの市場になるのでしょう。第2次トランプ政権が25年1月20日にスタートしましたが、輸入規制などがどうなるかも日本勢にとっては重要ですね」

家電と車載の運営を一体化

――中国では、ソフトウエアで車の機能を追加・更新できる「SDV(ソフトウエアが定義する車)」化が進んでいます。電動車に使う部品について、需要の変化はありますか。

「新興のEVメーカーの中には、自社でSDVをソフト開発からやっているところがあります。それに関連する電子制御ユニット(ECU)とかインバーターなど制御回路は、当社も持っていますが、彼らが自前でやるケースも少なくない。しかし、それ以外でも車載モーターの部品になるステーター(固定子)やローター(回転子)などを含め、多様な需要があります」

――欧州では、家電・商業・産業用事業本部の生産統括組織に車載事業本部の中にある、EV駆動装置「イーアクスル」関連以外の既存事業の運営を統合しました。珍しいタイプのマネジメント改革ですね。

「車載事業は私が直接見始めて3年になりますが、まだ抜本的に改革し切れていないと思っていました。(現地の人たちが経営しているが)ここはマネジメント力が弱いと感じていました。工場の在庫管理や生産性革新などを含めたサプライチェーン(供給網)のマネジメントのことです」

「ボッシュも同じことをやっているはずです。中国が低いコストで市場に入り込んでくる時の光景は、私は家電で何十年も前に見ているのです。しかも、自動車は今、複数の部品を組み合わせてあらかじめ作ったモジュール化が進んでおり、かつてのように『数万点の部品を組み立てて』という状態ではなくなっています。ここでもできる改革はあるのです」

ニデックの良さを整理整頓

――24年4月に創業者の永守重信・現グローバルグループ代表から経営トップを引き継ぎました。事業分野のコンセプトを「産業効率化」「モビリティイノベーション」「AI社会を支える」など5つに整理し直し、欧州車載事業のマネジメント変革を行うなど、次第に独自色も出てきたように感じます。

「事業分野のコンセプトの整理は、我々がどこにフォーカスするのかということを定めるためです。5つの領域で、既存の事業本部は複数にまたがっています。どこに集中して、それを実行するために自分たちをどう整えるかを検討していく。ニデックの良さを整理整頓することだと思っています」

(経済ジャーナリスト 田村賢司)

[日経ビジネス電子版 2024年12月25日の記事を再構成]

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